藤堂さん家の複雑な家庭の事情
背中合わせの状態であたしの真後ろに座ってる井上先生は、あたしの存在に気付く様子もなく。
「あと1週間も実習期間残ってるんだぞ? マジでダルい」
渾身のって感じで溜息を吐くから始末が悪い。
テーブルに置いてあった携帯電話の時計を見ると、18時10分。
そろそろ本当に店を出ないと予定の時間に間に合わないのに、大学生軍団は一向に帰る素振りを見せない。
むしろ。
「腹減ったなァ。何か食おうぜ」
まだまだ居座るつもりらしい。
井上先生は生徒の顔をいちいち覚えてないはずだから、きっとあたしの顔だけを見ても、実習先の学校の生徒だとは分からない。
あたしのクラスの担任の先生に付いて実習を受けてる訳じゃないから、高い確率であたしを分からないに違いない。
だから今のあたしの格好が私服だったら何にも気にしないで席を立てるのに、残念ながらどう足掻いてもあたしは制服姿。
いくら何でもこればっかりはバレると思う。
教育実習ってものは母校に行くものらしいから、制服を知らないって事はないと思う。
「あと1週間も実習期間残ってるんだぞ? マジでダルい」
渾身のって感じで溜息を吐くから始末が悪い。
テーブルに置いてあった携帯電話の時計を見ると、18時10分。
そろそろ本当に店を出ないと予定の時間に間に合わないのに、大学生軍団は一向に帰る素振りを見せない。
むしろ。
「腹減ったなァ。何か食おうぜ」
まだまだ居座るつもりらしい。
井上先生は生徒の顔をいちいち覚えてないはずだから、きっとあたしの顔だけを見ても、実習先の学校の生徒だとは分からない。
あたしのクラスの担任の先生に付いて実習を受けてる訳じゃないから、高い確率であたしを分からないに違いない。
だから今のあたしの格好が私服だったら何にも気にしないで席を立てるのに、残念ながらどう足掻いてもあたしは制服姿。
いくら何でもこればっかりはバレると思う。
教育実習ってものは母校に行くものらしいから、制服を知らないって事はないと思う。