藤堂さん家の複雑な家庭の事情
4日目 昼
昼食の入った紙袋を持って、翡翠の様子を見に【Kingdom】にやって来たトワは、スタッフルームのドアを開け、目《ま》の当たりにした光景に絶句した。
「お前、何やってんの……」
トワが呆れた声を出した理由は、てっきりソファに寝てると思っていた翡翠が、スーツ姿のまま、まるで屍のように床に転がっていたから。
うつ伏せになり、辿り着く前に力尽きたという感じでソファの方に腕を伸ばして転がる翡翠は、酒を大量に飲んでいる所為か鼾《いびき》を掻いている。
その翡翠に近付き、顔の近くにしゃがみ込むと、ブランデー独特の甘い匂いがした。
「翡翠起きろ」
「ん……」
「翡翠」
「んー…」
「起きて飯食え」
「……いらねえ……」
目覚めたらしい翡翠はそれでも目を開けようとはせず、嗄《しわが》れた声で「寝る」と言う。
放っておいたら2秒も掛からず眠ってしまうと察したトワは、すぐに体を揺さぶって無理矢理翡翠の目を開けさせた。
「とりあえず床で寝るのはやめろ」
「お前、何やってんの……」
トワが呆れた声を出した理由は、てっきりソファに寝てると思っていた翡翠が、スーツ姿のまま、まるで屍のように床に転がっていたから。
うつ伏せになり、辿り着く前に力尽きたという感じでソファの方に腕を伸ばして転がる翡翠は、酒を大量に飲んでいる所為か鼾《いびき》を掻いている。
その翡翠に近付き、顔の近くにしゃがみ込むと、ブランデー独特の甘い匂いがした。
「翡翠起きろ」
「ん……」
「翡翠」
「んー…」
「起きて飯食え」
「……いらねえ……」
目覚めたらしい翡翠はそれでも目を開けようとはせず、嗄《しわが》れた声で「寝る」と言う。
放っておいたら2秒も掛からず眠ってしまうと察したトワは、すぐに体を揺さぶって無理矢理翡翠の目を開けさせた。
「とりあえず床で寝るのはやめろ」