藤堂さん家の複雑な家庭の事情
翡翠の気持ちを知っているトワからすれば、確かにそうだと思う。


藍子が何をどう思ってるのか知る必要はなく、むしろ知らない方がいいのかもしれない。


現状を維持する為には、無理に知ろうとしない方がいい。


どうせいつかは嫌でも知る事になり、少なからず現状は変わる。


どう変わるのか今時点では想像も出来ないが、「その時」は近い将来必ず来るだろう。


そう思っているからこそ、トワは何も言わず、この兄と妹の行く末を見守ろうとしている。


そして待っている未来がどんなものであれ、それを受け止めようと思っている。


どんな未来になろうとも、トワが藤堂家の近くにいる事に変わりはない。


それだけは、ずっと変わらない事だろうとトワは強く思っている。


トワはこれから先も、


「風呂はどうしてる?」

こうして藤堂家の人々を心配し、気遣っていくのだろう。


「近くのネカフェとか風呂屋とか。昨日は酒抜くのにサウナ行った」
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