藤堂さん家の複雑な家庭の事情
その直後、部屋のドアが開く音がして、音に目を向けると、開いたドアの向こうに不機嫌な恋人が立っていた。
表情だけではなく全身で不機嫌を表わす心実は、緑色の液体が入ったガラスのコップを手にトワへと近付き、そのコップを差し出してくる。
そして。
「飲みな。青汁」
無愛想な声でそう言うと、体を起こしたトワに無理矢理それを持たせた。
「俺、青汁は……」
嫌いだと言いたかったトワは、心実の鋭い眼光に言葉を呑み込まざるを得ない。
逆らえば鉄拳制裁を食らうに違いないという危機感すら感じた。
それくらい心実の態度は不機嫌そのもの。
でもトワは、そうである事を仕方ないと思う。
「二日酔いは?」
「ないよ」
「あれだけ泥酔してて二日酔いしないって、あんたの体恐ろしいわ」
呆れた声を出した心実に、トワは「うん。ごめん」と謝罪を口にした。
何に対してというよりも、全てに対してという思いだった。
表情だけではなく全身で不機嫌を表わす心実は、緑色の液体が入ったガラスのコップを手にトワへと近付き、そのコップを差し出してくる。
そして。
「飲みな。青汁」
無愛想な声でそう言うと、体を起こしたトワに無理矢理それを持たせた。
「俺、青汁は……」
嫌いだと言いたかったトワは、心実の鋭い眼光に言葉を呑み込まざるを得ない。
逆らえば鉄拳制裁を食らうに違いないという危機感すら感じた。
それくらい心実の態度は不機嫌そのもの。
でもトワは、そうである事を仕方ないと思う。
「二日酔いは?」
「ないよ」
「あれだけ泥酔してて二日酔いしないって、あんたの体恐ろしいわ」
呆れた声を出した心実に、トワは「うん。ごめん」と謝罪を口にした。
何に対してというよりも、全てに対してという思いだった。