藤堂さん家の複雑な家庭の事情
「翡翠はどうしても今年行きたいんだってさ」
「何で?」
「来年になったら藍子ちゃんは高校3年で色々忙しくなるかもしれないし、琢も小学生になるから今とはまた環境が変わってくるからだって。今の家族で旅行行きたいって思ったらしいよ」
「それを急に思い付いたって事?」
「藍子ちゃんが終業式の日に、補習になったって翡翠に電話してきたんだけど、その電話切った後に思ったらしい」
「電話と旅行にどんな繋がりがあんの?」
「幸せだと思ったんだって」
「は?」
「藍子ちゃんが補習を受ける事になったって聞いた時、翡翠笑ったらしいんだ」
「そりゃ笑うでしょ。あの子バカみたいに自信ありげだったからね。あたしも笑ったし。つか、爆笑だしね」
「その時翡翠は、そうやって笑えるのは今の生活が落ち着いてるからだと思ったんだってさ。家は心実が守ってくれてる。だから安心して仕事に行ける。そうやって仕事が出来るから、琢にも藍子ちゃんにもお金に関して不自由させずに済んでる。それって物凄く幸せな事だと思ったらしい」
「……」
「それで、今のこの幸せな時にみんなで旅行に行きたいって思ったって話」
「バカじゃないの」
「うん。バカだね。でも翡翠らしいと言えば翡翠らしい」
「心配させられるこっちはいい迷惑だっての」
「ごめんな」
「……」
「何で?」
「来年になったら藍子ちゃんは高校3年で色々忙しくなるかもしれないし、琢も小学生になるから今とはまた環境が変わってくるからだって。今の家族で旅行行きたいって思ったらしいよ」
「それを急に思い付いたって事?」
「藍子ちゃんが終業式の日に、補習になったって翡翠に電話してきたんだけど、その電話切った後に思ったらしい」
「電話と旅行にどんな繋がりがあんの?」
「幸せだと思ったんだって」
「は?」
「藍子ちゃんが補習を受ける事になったって聞いた時、翡翠笑ったらしいんだ」
「そりゃ笑うでしょ。あの子バカみたいに自信ありげだったからね。あたしも笑ったし。つか、爆笑だしね」
「その時翡翠は、そうやって笑えるのは今の生活が落ち着いてるからだと思ったんだってさ。家は心実が守ってくれてる。だから安心して仕事に行ける。そうやって仕事が出来るから、琢にも藍子ちゃんにもお金に関して不自由させずに済んでる。それって物凄く幸せな事だと思ったらしい」
「……」
「それで、今のこの幸せな時にみんなで旅行に行きたいって思ったって話」
「バカじゃないの」
「うん。バカだね。でも翡翠らしいと言えば翡翠らしい」
「心配させられるこっちはいい迷惑だっての」
「ごめんな」
「……」