藤堂さん家の複雑な家庭の事情
翡翠の目覚め
酷い倦怠感から目を覚ました翡翠は、あり得ないほどの体のダルさに顔を顰《しか》めた。
頭痛や吐き気はないものの、ほんの少しも動きたくないと思う倦怠感のある二日酔いに、もう一度眠ってやりたいと思うほどだった。
それでも部屋の薄暗さから陽が暮れている事が分かり、今日も仕事に行かなければならない翡翠は渋々起き上がろうとした。
その直後、翡翠はようやく「それ」に気が付き、起き上がり掛けていた体を横向けにして寝転がった。
翡翠の隣にはスヤスヤと眠る藍子がいる。
翡翠の方に向けている体を少し丸めて眠る藍子は何故か制服姿で、どうしてこんな格好なのかと翡翠は不思議に思った。
しかも翡翠自身はパンツ一枚の格好だから余計に不思議でならない。
格好の温度差に首を傾げた翡翠は、頬を引っ張って藍子を無理矢理起こすという少々乱暴な行為に出た。
右頬を引っ張られ「んー」と唸った藍子は、その後「いてて」と呟いて目を開く。
まだ寝惚けてるという感じが全面に出ているその目を見つめた翡翠は、「何で制服で寝てんだ?」と疑問を投げ掛けた。
「んっ、お兄ちゃん、おはよう」
「おう」
「二日酔いは……?」
「体ダリィ」
「んー、そっか」
頭痛や吐き気はないものの、ほんの少しも動きたくないと思う倦怠感のある二日酔いに、もう一度眠ってやりたいと思うほどだった。
それでも部屋の薄暗さから陽が暮れている事が分かり、今日も仕事に行かなければならない翡翠は渋々起き上がろうとした。
その直後、翡翠はようやく「それ」に気が付き、起き上がり掛けていた体を横向けにして寝転がった。
翡翠の隣にはスヤスヤと眠る藍子がいる。
翡翠の方に向けている体を少し丸めて眠る藍子は何故か制服姿で、どうしてこんな格好なのかと翡翠は不思議に思った。
しかも翡翠自身はパンツ一枚の格好だから余計に不思議でならない。
格好の温度差に首を傾げた翡翠は、頬を引っ張って藍子を無理矢理起こすという少々乱暴な行為に出た。
右頬を引っ張られ「んー」と唸った藍子は、その後「いてて」と呟いて目を開く。
まだ寝惚けてるという感じが全面に出ているその目を見つめた翡翠は、「何で制服で寝てんだ?」と疑問を投げ掛けた。
「んっ、お兄ちゃん、おはよう」
「おう」
「二日酔いは……?」
「体ダリィ」
「んー、そっか」