藤堂さん家の複雑な家庭の事情
それまで布団の中に潜ったままのあたしは、そこで琢ちゃんに布団を引きはがされて、
「藍子、早く!」
「……うん」
まだ眠り足りないのに無理矢理ベッドから出される。
琢ちゃんに左手を掴まれ引っ張られながら、枕元に置いてた携帯に目を向けると、着信があった事を示すライトがチカチカ点灯してる事に気が付いた。
「琢ちゃん、ちょっと待って。携帯光ってる」
手に取った携帯を開くと、寝てる間にメールが届いてて、
【俺はお前を大学生と遊ばせる為に働いている訳ではないだ! オボエテ(≧∇≦)b OK!】
その相手は、完全に酔っぱらってる、妙なテンションで予測変換ミスしてるっぽいお兄ちゃんだった。
どんな聞き方をしたのか分からないけど、お兄ちゃんはトワさんに今日のあたしの予定を聞いたらしい。
知られた事は別にいいけど、この感じは面倒臭い。
会った時にスルーしてもらえる感じじゃない。
想像しただけで溜息が出てしまった。
「腹減った」
そんなあたしを見上げた琢ちゃんがそう言って歩き出したから、手を繋いでたあたしも自然と歩き出して、ふたりで階下に向かった。
「藍子、早く!」
「……うん」
まだ眠り足りないのに無理矢理ベッドから出される。
琢ちゃんに左手を掴まれ引っ張られながら、枕元に置いてた携帯に目を向けると、着信があった事を示すライトがチカチカ点灯してる事に気が付いた。
「琢ちゃん、ちょっと待って。携帯光ってる」
手に取った携帯を開くと、寝てる間にメールが届いてて、
【俺はお前を大学生と遊ばせる為に働いている訳ではないだ! オボエテ(≧∇≦)b OK!】
その相手は、完全に酔っぱらってる、妙なテンションで予測変換ミスしてるっぽいお兄ちゃんだった。
どんな聞き方をしたのか分からないけど、お兄ちゃんはトワさんに今日のあたしの予定を聞いたらしい。
知られた事は別にいいけど、この感じは面倒臭い。
会った時にスルーしてもらえる感じじゃない。
想像しただけで溜息が出てしまった。
「腹減った」
そんなあたしを見上げた琢ちゃんがそう言って歩き出したから、手を繋いでたあたしも自然と歩き出して、ふたりで階下に向かった。