藤堂さん家の複雑な家庭の事情
「直接?」
「明け方、店が終わってここに来て、今は上で寝てる」
フライ返しを天井に向けたお姉ちゃんはちょっと気恥ずかしそうで、
「あいつが勝手に来たんだからね!? 会いたいとか言って!」
何も言ってないのに言い訳するから面白い。
そうやって、いつもの「母親」とも「姉」とも違う、「女」の顔をあたしに見せるのは珍しいから、思わずクスクス笑ったら、しこたま睨み付けられた。
「パン焼けたからさっさとバター塗りな」
「はーい」
焼けた食パンにバターをたっぷり塗って、既に食卓に着いてた琢ちゃんの隣に座ったタイミングで、目玉焼きが焼き上がる。
お姉ちゃんは焼けた目玉焼きを食卓に置くと、そのまま自分も席に座ってさっさと食べ始めたけど、すぐに大きな欠伸《あくび》をして食べた手を止めた。
お姉ちゃんは相当寝不足らしい。
でもそれは琢ちゃんに早くから起こされた所為だけじゃないから、誰に文句を言える訳でもない。
いつもは琢ちゃんに「こんな早起きしたらそのうち眠すぎて倒れんじゃないの!?」って文句言ってるけど、今日は言わない。
もしかしたらトワさんに後で文句を言うのかもだけど。
「明け方、店が終わってここに来て、今は上で寝てる」
フライ返しを天井に向けたお姉ちゃんはちょっと気恥ずかしそうで、
「あいつが勝手に来たんだからね!? 会いたいとか言って!」
何も言ってないのに言い訳するから面白い。
そうやって、いつもの「母親」とも「姉」とも違う、「女」の顔をあたしに見せるのは珍しいから、思わずクスクス笑ったら、しこたま睨み付けられた。
「パン焼けたからさっさとバター塗りな」
「はーい」
焼けた食パンにバターをたっぷり塗って、既に食卓に着いてた琢ちゃんの隣に座ったタイミングで、目玉焼きが焼き上がる。
お姉ちゃんは焼けた目玉焼きを食卓に置くと、そのまま自分も席に座ってさっさと食べ始めたけど、すぐに大きな欠伸《あくび》をして食べた手を止めた。
お姉ちゃんは相当寝不足らしい。
でもそれは琢ちゃんに早くから起こされた所為だけじゃないから、誰に文句を言える訳でもない。
いつもは琢ちゃんに「こんな早起きしたらそのうち眠すぎて倒れんじゃないの!?」って文句言ってるけど、今日は言わない。
もしかしたらトワさんに後で文句を言うのかもだけど。