藤堂さん家の複雑な家庭の事情
「な、何だ?」

「先生?」

「何だよ」

「先生はとっても教えるのが上手だから、先生が先生にならない事はとてもショックです」

「……」

「あたしは出来れば井上先生は、先生になって欲しいと思います」

「……」

「実習、頑張って下さい」

ペコリと頭を下げて店の出入り口に向かったあたしに、井上先生は何も言わなかったけど、その視線はずっと背中に感じてた。
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