藤堂さん家の複雑な家庭の事情
「もういいって」

「んー」

「しつけえぞ」

「んー」

「口許笑ってんじゃねえかよ」

「んー」

「声まで笑い出してんぞ」

「んー」

「ほらみろ。高音になってんじゃねえか」

「んー」

「はい、タイムオーバー」

笑いを我慢してるあたしに釣られて吹き出したお兄ちゃんは、もう一度唇を重ねる。


口の中にお酒の匂いが広がって、酔ってしまうんじゃないかとすら思ってしまう。


キスをしながらお兄ちゃんの手があたしのパジャマのボタンを外し、あっという間にあたしを裸にしたお兄ちゃんは、「途中で寝るなよ?」と掠れた声を出して、首元に吸い付いた。


肌に触れる、お酒を飲んでるお兄ちゃんの手は熱い。


胸元に滑り込んできた手にゾクッとする。


思わず体を小さく震わせたあたしに、お兄ちゃんは軽いキスをして、そのままスルスルと下降していく。
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