藤堂さん家の複雑な家庭の事情
「飛び蹴りとかされたらどうしよう」

「させねえって」

「あたしすっごいバカになっちゃうかもしれないね」

「もうバカだから安心して寝ろよ」

「月曜の小テストの点数が悪かったら、ゲンコツの所為だと思う」

「分かった、分かった。はい、おやすみ」

ギュッて強く抱き締められて、吸い付くみたいに肌が触れ合って、すぐに寝息を立て始めたお兄ちゃんの温もりに目を閉じる。


琢ちゃんが起こしに来てくれるまで後2時間弱。


朝日がしっかりと昇りきるまでもう少し週末の夜を満喫する。


あたしの週末は、たまに起こるイレギュラーな事を除けば、大体こんな感じで過ぎていく。



【藍子の週末】
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