藤堂さん家の複雑な家庭の事情
信じがたい状況に藍子はベッドの上で身動き出来ず口籠り、そんな藍子に翡翠はズカズカと近付いてくる。
ベッドまで来て足を止めた翡翠は、持っていた鉄パイプを床に放り投げ、
「お、お兄ちゃん、あた、あたし、お金――」
「んな事は、もういい」
言い訳を口にしようとした藍子を制して、その唇を自分の唇で塞いだ。
結ばれている藍子の唇を割って舌を入れた翡翠は、そこにある藍子の舌を絡め取り、貪る。
その激しさから反射的に身を強張らせていた藍子も、自然と体の力を抜いて、翡翠を受け入れる。
会わなかった時間を埋めるように、ふたりは長い間キスをしていた。
その間、翡翠は締めていたネクタイを解き、上着を脱いで、藍子の髪や背中を何度も撫でた。
藍子の手は翡翠にしがみ付くように背中を掴んでいる。
「お兄ちゃん、お金勝手に使ってごめんなさい……」
ようやくお互いの唇が離れると、唾液で光る唇から藍子は言葉を発する。
その表情には申し訳ないという気持ちがしっかりとある。
翡翠はその表情を見ただけで、藍子の金の使い道が人の道を外れた事ではないと悟った。
ベッドまで来て足を止めた翡翠は、持っていた鉄パイプを床に放り投げ、
「お、お兄ちゃん、あた、あたし、お金――」
「んな事は、もういい」
言い訳を口にしようとした藍子を制して、その唇を自分の唇で塞いだ。
結ばれている藍子の唇を割って舌を入れた翡翠は、そこにある藍子の舌を絡め取り、貪る。
その激しさから反射的に身を強張らせていた藍子も、自然と体の力を抜いて、翡翠を受け入れる。
会わなかった時間を埋めるように、ふたりは長い間キスをしていた。
その間、翡翠は締めていたネクタイを解き、上着を脱いで、藍子の髪や背中を何度も撫でた。
藍子の手は翡翠にしがみ付くように背中を掴んでいる。
「お兄ちゃん、お金勝手に使ってごめんなさい……」
ようやくお互いの唇が離れると、唾液で光る唇から藍子は言葉を発する。
その表情には申し訳ないという気持ちがしっかりとある。
翡翠はその表情を見ただけで、藍子の金の使い道が人の道を外れた事ではないと悟った。