magic pencil
掃除を進めると面白いものがたくさんある。
緑色のウサギが描かれたおかしな絵本。
こんなの誰が読むのだろう…。
お父さんか…

また見つけてしまった。
ピンクの怪獣のオモチャ。
まったくこの物置にはガラクタしか置いてない。

もう片っ端から隅に追いやろう。

ガタガタガタッ
ガッシャーン ガタッ
物凄い音がするが気にしないでくれ。

ゴンッ。
鈍い音がして棚の上に置いてあった箱が落ちてきた。
『痛っ――――――――!』
私は少し涙目になりながら落ちてきた箱を見る。
何でかって?
ムカツクから捨ててやろうと思ってさ!



箱に目をやると…
なんだか高そうな箱が。
中は何だろうと箱の蓋を右にずらす。

中は普通のペン。
お父さんにしては珍しい。
一体なんだろうと、箱やペンを隅々まで見る。

『っ!』

箱の隅っこに『magic pencil』と書いてある。
『ん~。捨てるのはもったいないかな…』
それになんだかペンも可愛い!





~その日の夜~

お父さんが珍しく早く帰ってきた。
今日はお父さんにこのペンについて詳しく聞こうと思う。


『お父さん?』
「ん?」
『今、忙しい?』
「いや?俺はいつでも暇だぞ?」

いやいや!毎日なにやってんですか!

『あのさぁ 今日物置の掃除してたんだけど…』
『このペンなに?』
「そのペンかぁ?」
「このペンはなぁ…インドから買ってきたんだ…」



お父さんは語り始めた…

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