君と奏でる、永遠のメロディー

3

山岸さんとの約束を決めた僕は、せかせかと用意を始めた。

まずスマホから、この近くの映画館の上映予定を確認する。

2時半からのアクション映画。

昨日のファミレスで、彼女が激しい映画が好きだと言っていたからだ。

物静かな印象だったから、少し驚いた。

ほんと、人は見た目によらないんだなぁ。




駅前のオブジェへ行くと、既に彼女が待っていた。

驚くほど早くこちらに気づいて、手を振ってくる。

僕も軽く手を上げつつ、彼女との距離を縮めた。

「おはよう」

言ってから、この時間だとおはようではないかと、自分一人で恥ずかしくなった。

「おはようございます」

彼女はクスリと笑って言う。

「じゃあ、行こっか」

「はい」



僕たちの、初めてのデートが始まった。
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