君と奏でる、永遠のメロディー
そして迎えた土曜日。

僕たちはいつもの駅前で待ち合わせた。

約束の5分前に着くと、彼女はもうそこに居て、驚くほど早く僕に気づき、手を振ってくる。

少し恥ずかしさを感じつつ、彼女との距離を縮める。

「ごめん、待った?」

「ううん。私もさっき来たところだよ」

「そっか。よかった」

駅の構内へと、並んで歩き始める。

土曜日にも関わらず、スーツ姿の人が多く行き交っている。

その中を、僕たちは手を繋いで進んだ。




売店で、駅弁を買った。

京葉線の特急列車に乗った。

ここで気付く人も多いだろう。

そう、僕たちはディズニーランドへ向かっている。

「こういうの、やってみたかったんだよね」

駅弁を広げつつ、彼女は興奮気味で言う。

「いただきます」

2人で言って、食べた。

何か変わっている訳では無いけど、特別な味がした。
< 24 / 81 >

この作品をシェア

pagetop