君と奏でる、永遠のメロディー
ーどん、とすれ違う人と肩がぶつかった。

『すみません』と謝ると、その人は怒るわけでも、『気にしないで』と言うでもなく、パアッと笑顔になった。

「きみ、千歳(ちとせ)だよね」

⁉︎何でわたしの名前を知ってるの。

同級生?先輩?

いろいろ頭の中で検索するけど、何も出てこない。

「何で…名前…」

するとその男性は、悲しそうな、でも納得したような顔をした。

「俺のこと、覚えてない?」

「う、うん」

「そっか」

本当に一体誰なのだろうか。

顔をもう一度よく見てみても、いくら考えてもそれらしき人物は思い出せない。

でも、何故か少し懐かしい感じがした。
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