君と奏でる、永遠のメロディー
すっかり暗くなり、子供たちがプレゼントを心待ちに寝床へ入る頃、僕たちは駅前の道を歩いていた。

「僕は、皆川聖也(せいや)。この近くの音楽学校に通ってるんだ。今年で20歳」

「私は、山岸冬月(ゆづき)。美容師の専門学校に通ってます」

「ふうん。じゃあ、将来は美容師さんになるんだ?」

「考え中ですけど、まぁ…そのつもりです」

僕は高まったテンションのまま、

「じゃあ今度、僕の髪切ってよ」

ついつい口走ってしまう。

「いいですよ」

いけない。

今日、今さっき出会ったばかりなのに。

普通こんな風に言われたら、怪しいというか、引いてしまうだろうけど、彼女はそういう素ぶりがない。



そうするうち、24時間営業のファミレスを通りかかる。

「山岸さん。ここでも入る?」

思ったより、自然に言えた気がした。
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