君と奏でる、永遠のメロディー
2、3分歩いて、カラオケ店に着いた。

彼に続いてガラス戸をくぐると、階段があって、わたし達はそれを上った。


「いらっしゃいませ」

スタッフの人が対応してくれる。

「2名様ですか?」

「はい」

ここは彼に任せて、わたしは店内を見渡す。

ドリンクバーに、お菓子類各種。マラカスやタンバリンもある。



「千歳、時間はどれくらいにする?」

尋ねられて、わたしは慌てて振り返った。

「ええと、8時くらいまでなら大丈夫だけど…」

「んじゃあ、3時間くらいか」

うんと頷いて、彼は店員さんに、

「3時間だと、どれが安いですか?」

と言った。

「フリータイムがお安くなっております」

「じゃあ、フリータイムで」

「かしこまりました」

店員さんはスッと奥へと下がっていき、グラスと部屋番号カードを持って戻ってきた。

彼がそれを受け取るのを確認すると、わたしは歩き出した。

「23号室だって」

案内通りに進み、部屋に入ると、冷房を入れマイクを手に取った。



「さあて、歌うか」

彼の言葉で、カラオケデート(?)が始まった。
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