君と奏でる、永遠のメロディー
やはり、最初の曲は重要で、悩んだ。

でもやっぱり、わたしはあの曲にした。

『始まりの唄 seiya』という表示とともに、イントロが流れ出す。

1番のAメロは少し探るような感じだったけれど、徐々に調子が上がってきた。



わたしはその後、seiyaの曲を2曲歌った。

その間、彼は黙って聴いていた。

「健一くんも歌ったら?」

「う、うんっ…」

彼はリモコンを手にし、入力を始めた。

そういえば、彼が何の曲が好きかとか、知らない。

っていうか、ほとんど何も知らない。



ピピッという機械音と同時に、画面が切り替わる。

seiyaの『瞬き(またたき)』だった。

「別にわたしに合わせなくても…」

「そういう訳じゃ、ああっ!」

演奏が始まってしまっていて、彼は途中から歌い始めた。



最後のワンフレーズが終わり、彼がマイクを置くと、2人で笑った。

「イントロ無しの曲にしなきゃ良かった…」

悔しそうな顔をする。

「まあまあ、これからだよ」
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