君と奏でる、永遠のメロディー
翌朝、目が覚めると、部屋にはトーストの焼ける香ばしい香りが漂っていた。

ー香ばしい香りが漂っていた。

!?

掛け布団を跳ね除け、起き上がると、キッチンで光星が朝食を作っていた。

ああ、そうか。

『朝・夕の飯は作るから』とか何とか言っていたのを、ふと思い出した。

まさか、本当にするとは思っていなかったのだけれど。



「…千歳、おはよう」

彼はハムエッグを皿に載せながら、声を掛けてきた。

「ん」

とだけ答えると、

「何だよ、愛想ないなぁ…」

と言って笑った。



トーストとハムエッグの皿をテーブルへ運び、牛乳とヨーグルトまでもが用意された。

「さ、食べよ」

彼のその声で、わたしは立ち上がり、テーブルのところまで移動し、椅子に腰掛けた。

「「いただきます」」



最初は面倒くさい奴だと思っていたけれど、毎日こんな充実した朝食が食べられるなら、それはそれで良いかもしれない、と感じた。
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