君と奏でる、永遠のメロディー
正午を少し回り、食事をしている時、いつもは何も知らせないスマホが、メールを受信したのだ。

僕は箸を止め、スマホの受信ファイルを開く。

『山岸冬月』

その表示を見た途端、僕の心臓はドクンドクンと大きく脈打つ。

息が苦しい。

恐る恐る、そのメールを開いた。


『皆川さん、おはようございます。メリークリスマス!今日は何か予定ありますか?もしよかったら、何処か行きませんか?』


もちろん、こうなったら断る気はない。

僕は迷わず電話帳から彼女の番号を表示させ、通話ボタンを押した。

コール音が、2回、3回…

彼女が出た。繋がった気がした。


『もしもし』

「もしもし、皆川です」

『おはようございます!』

「ああ、おはよう。えっと、メールありがとう。今日は予定ないよ。どっか行きたいとこある?」

『いえ。皆川さんの行きたいところでいいですよ』

「じゃあ、映画とかどう?」

『あっ、いいですね!』

「それじゃあ、昨日の駅前に2時くらいで大丈夫?」

『はい』

「じゃあ、また後で」


耳から離して、そっと親指で押した。

その瞬間、喜びが爆発した。

1人でいるこの部屋は、なんとも言えない達成感で満ちていた。
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