白と黒と時々ピンク。
席に着くなり一馬は前のめりで今日の経緯とプランを話し始めた。

簡単に言うと以前ナンパした女の子の友達らしい。
先週、ナンパした女の子を含めた合コンを開催したらしいのだが、その時に連れてきた女の子に一目惚れをし、こっそり連絡先を交換してこぎつけたのが今日だ。

ナンパした女の子に内緒で開催しているのが一馬らしいと思った。

『マジで可愛いから!』

目をギラつかせた一馬が鼻息を荒くする。

僕は空気を読んで応えた。

『じゃあ、その子と一馬が上手くいくように盛り上げたら良いってことだろ?』

『天才!さすがハル!』

一馬は『これだよこれ!』という感じで涼を肘で突いた。

『残りの2人はどんな女か分からないけど、ハルの好きな方に行ったら良いよ!』

一馬の相変わらずな性格に僕は『はいはい。』と首を縦に振った。

正直、誰がどうなろうが僕はどうでも良かった。

そうこうしている内に約束の19:00が来た。

若干ソワソワしている自分に気付く。

僕はあまりお酒が強くなかった。友達と飲むときはカシスオレンジやカルアミルクなど女子が好みそうな物ばかり飲んでいた。
酔っ払うのは嫌いではなかったが、その後の気持ち悪さが大嫌いなのだ。
それでも合コンとなると飲まないわけにはいかないし、カルアミルクを頼むわけにもいかない。
なので僕は必ず梅酒を頼むようにしていた。

多少のウンチクを並べれば梅酒でも充分に渡り合えた。

19:15分

多少の遅刻に苛立ち始めた頃、彼女たちが現れた。
< 16 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop