白と黒と時々ピンク。
一馬の強引な手法によって僕たちは4人でカラオケに行く事になった。

そう4人だ。

涼と陽子は2人でどこかに消えていった。

後日メールで、“ホテルに行きたいって言われて何とか断って帰ったっす!”と報告があった。

僕たちは最寄りのカラオケボックスに向かった。

歩いて五分ほどの所にチェーン店があった。

犬みたいな名前の店で、三年前くらいから人気が出だした。
案の定、店に着くと順番待ちだった。僕を含め女の子たちはテンションが下がった。

僕的にはカラオケは苦手だったのでまたの機会にしたかった。
でもそれを一馬は許さない。
合コンの為にカラオケの練習をするほどカラオケにこだわっていた。
確かに一馬とカラオケに行くと、メチャクチャ盛り上がる。
歌のチョイスや合いの手が抜群に上手かった。

現に『カッコイイー』『すごーい』と女の子は声をあげた。
それだけで何人かの女の子を持ち帰りした事もあった。

一馬の中で、カラオケは絶対的な武器なのだ。
勇者で言うところの剣だった。

違うのは、世界平和の為に使うのか、私利私欲の為に使うのかだけだった。

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