白と黒と時々ピンク。
車を後ろにつけると瞳がコンビニ袋を片手に降りてきた。

僕は窓を開ける。

小走りに近づく瞳が『乗っていい?』と助手席を指差した。

僕が頷く前に助手席が開かれた。

『広〜い。かっこいいね。』

瞳がキョロキョロと車内を見渡す。
まるで彼女が浮気の痕跡を探すかのように。

当時、僕は流行りのVIPカーに乗っていた。
駅前にナンパに行く時は、VIPカーが抜群に効果を発揮するのだ。
その為だけに購入を決めたようなものだった。

『で、相談って何?』

僕が問うと瞳はコンビニ袋からコーヒーを取り出した。
普段なら気が効く女だなと思うだろうが今回は違った。
瞳の行動には媚びに似たアピールが見え隠れするのだ。

瞳はカフェオレを一口飲んで話し始めた。






< 23 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop