白と黒と時々ピンク。
一馬のプレッシャーを感じながらも、それから何度か瞳と関係を持つことになった。

関係を持つのは決まって会社の飲み会の後だった。

僕はどんどんぬかるみに足を突っ込んで行ってる気分だった。

しかし、瞳との関係はあっけなく終わりを迎えることとなった。

いつものように酔いに任せて瞳を抱いた後、瞳から言われたのだ。

『私たちの関係ってなんなんかな?』

『なんなんって、、、なんなんかな。』

『私さ、ある人から告白されたんだけど。』

『そうなんだ。それで?』

瞳は不機嫌そうに『その人と幸せになろうと思うから、ハルとは終わりにする。』と言ってきた。

その表情はなにかしらの期待を帯びていたようにも思えた。

僕は期待を裏切るように『良かったが』と言って話を終えた。

何度か体を重ねたからか若干の寂しさを覚えたが、それは恋ではなく、たんに都合の良い関係が終わることを意味していた。

関係が終わる事を察した瞳は爆弾を放り込んできた。

『ちなみに一馬と寝たから。』

『はぁ?』

僕は言葉を失った。
右手に持つタバコから灰がぽろっと落ちた。



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