白と黒と時々ピンク。
学校からの帰り道、僕は駅前のマックによった。

駅前だということもあり、様々な制服が目についた。

進学や就職を決めた生徒たちが楽しそうに話しをしていた。
実際は何を話していたかは分からないが僕にはそう映っていた。

この感情が劣等感だと数年先に読んだ本で知ることになる。

僕の家は三人兄弟の五人家族だ。

兄と妹がいて僕は真ん中の次男だ。

次男は長男と比べて劣等感が強いらしい。

最初に生まれた子供は、全てのことが初めてでオシメの交換やミルクの時間、お昼寝や衛生面の全てに気を使うが、次男の時は子育ての免疫ができてる為、ある程度の手抜きをする。

それが長男と次男の差になるのだ。

これも本で読んだことだった。

僕はおおかた間違っていないと感じた。

僕の劣等感は子供の頃から大人になるまで、たくさんの悩みと葛藤をもたらせてくれた。

お正月に親戚が集まった時もそうだ。

僕は子供らしく演じることに全神経を集中させた。

『ハル君は本当に良い子だ。』

親戚のおじさんからそう言われると子供ながらに心が満たされた。

本当は子供らしくワガママに自分をさらけ出したかったが、僕の劣等感はそれを許してくれなかった。
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