白と黒と時々ピンク。
僕の部屋は階段を上がった正面だった。
小学校に入学した頃、この家は建てられた。
二階には親の寝室とは別に三部屋あった。
六畳が二部屋と四畳半が一部屋。
歳の順で部屋を選んだので必然的に妹は四畳半になった。
僕は一番奥に入りくんだ兄の部屋が良かったが(秘密の部屋のような雰囲気だった)もちろん歳の順で無理だった。
階段を上がると、拳大の穴が空いているドアが現れる。
その名の通り、拳で開けたものだ。
高校一年の時、些細なことで母親とケンカをして出来た勲章だ。
最近やっと“毒親”という言葉が浸透してきたが、僕の母親はまさに毒親だった。
『ハルの為に言ってるんだよ!』
二言目にはこの言葉だった。
何かの番組で素晴らしい事を言っていた。
『人の為と書いて偽だ!』
本当にそうだと思った。
母親は自分の為に僕を叱っているのだ。
『しっかり勉強して、いい会社に入らないと将来困るわよ!』
まだ社会に出ていない者にこの言葉は何の意味も持たない。
まさに自分はいい会社の男と一緒になれなかったから困ってると言わんばかりだ。
思春期の僕は、母親と言い争うたびに拳大の穴が増えていった。
子供ができる精一杯の反抗だった。
小学校に入学した頃、この家は建てられた。
二階には親の寝室とは別に三部屋あった。
六畳が二部屋と四畳半が一部屋。
歳の順で部屋を選んだので必然的に妹は四畳半になった。
僕は一番奥に入りくんだ兄の部屋が良かったが(秘密の部屋のような雰囲気だった)もちろん歳の順で無理だった。
階段を上がると、拳大の穴が空いているドアが現れる。
その名の通り、拳で開けたものだ。
高校一年の時、些細なことで母親とケンカをして出来た勲章だ。
最近やっと“毒親”という言葉が浸透してきたが、僕の母親はまさに毒親だった。
『ハルの為に言ってるんだよ!』
二言目にはこの言葉だった。
何かの番組で素晴らしい事を言っていた。
『人の為と書いて偽だ!』
本当にそうだと思った。
母親は自分の為に僕を叱っているのだ。
『しっかり勉強して、いい会社に入らないと将来困るわよ!』
まだ社会に出ていない者にこの言葉は何の意味も持たない。
まさに自分はいい会社の男と一緒になれなかったから困ってると言わんばかりだ。
思春期の僕は、母親と言い争うたびに拳大の穴が増えていった。
子供ができる精一杯の反抗だった。