トシノサ恋 ~永久に…君に~
「あっ!お腹空いたっっ…

ラーメン食べようよっっ…!」

私が仕切り直すように言うと

彼も、元通り私の方を笑って見た。

ラーメン店は休日という事もあり

かなり賑わっていた。

「……やっぱり、人気なんだね~。」

店に入りきれない人々が行列を作って

その列に私達も混ざる。

「…待つけど、大丈夫…?」

新井くんは、少し心配そうに私を見る。

「……うん!大丈夫だよ、何で?」

「いや、せっかくの誕生日なのに…

本当に良かったのかなぁ…って…」

あ、そうだ…

誕生日だから、今日デートしたんだよね。

私…デートってことに浮かれてて

すっかり自分の誕生日の事…忘れてたっ。

「…誕生日なの…忘れてた。」

そう言って笑って新井くんを見る。

「…え…っっ」

彼が驚いた顔で私を見ると

長い睫毛がカールしてるのが見えた。

可愛い…っ。

「アハハ、ごめん…完全に忘れてた…。」

だって……

私にはあの日が…

君が花束をくれたあの日が…

きっと、私にとって最初で最後の

最高の誕生日だったから……

あの日以上の事なんてない気がしてた。
< 152 / 210 >

この作品をシェア

pagetop