トシノサ恋 ~永久に…君に~
「…あ~ラーメン旨かったぁ…。」

店から出て新井くんと歩きながら話す。

「うん…やっぱ食べて良かったねっ…。」

二人で話ながら並んで歩いていると

手と手が触れる…。

あっ…

さっき言われた事が頭に過り…

思わず自分の手を

引っ込めてしまう……。

その時……

新井くんが足を止めた。

「……新井くん?」

「もしかして…さっきの、気にしてるの?」

「……え?」

「紗和の事、保護者とか…

フザケタ事…言ってたやつ…。」

「……少しだけ…」

「少しだけって…

そんなん気にするなよ…

周りが何を言っても…

紗和は…おばさんじゃ、ないよ。」

「…えっ…っっ」

お、おばさんっ……?

「…え、何…?」

「……………っ…」

新井くん…

私の事やっぱり…おばさんって思ってた?

「…紗和?」

「…新井くんも…

おばさん…って思ってるんだ。」

私が、彼の顔を見上げる。

「え…紗和……違うから…っ…」

ビックリしたように彼は目をパチクリして

私の顔を見ている。

「あ、違う、違うよ…?

責めてないから…本当の事だもんね…」

そう言って、一人で歩き始めた。

「……えっ!?…紗和…」

仕方がないって…思う。

でも、悲しくて仕方なかった。

新井くんを置いて小走りに歩いて行く。

歩けば、歩くほど…

埋めれない距離があることを

思い知らされる……。

「おい…紗和……っ、紗和……っ!」

私の後ろで名前を呼ぶ声が聞こえる。

でも、足を止める事ができなかった。
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