トシノサ恋 ~永久に…君に~
私は、必死に嘘をついた。

「……そっか、ありがとうな。

じゃあ、週末に久々に泊まろうかな。」

「……うん。」

「…じゃあ、紗和の手料理…

楽しみにしてる。」

「…あ…手料理、まかせて。」

私は、なんとか笑顔を作って勝平を見た。

それから…

なんとか仕事に間に合った。

勝平も自分の仕事に間に合ったと

LINEで連絡があった。

…私…勝平と6年も一緒にいて…

勝平の事は何でも知ってたはずだった。

でも……

あれは、知らない人みたいだった。

彼の笑った顔…

大好きだったのに。

今は、その笑顔が少しだけ

恐く感じる……。

もし…また勝平が

今日みたいになったらどうしよう。

あんなに優しい人を私が怒らせた。

怒らせるような事をした私が

悪いんだ。

だけど…その事を考えると

胸がざわざわと落ち着かなくなる。
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