トシノサ恋 ~永久に…君に~
彼は生徒なんだから

ビビってるんじゃないわよ。

私は、教師……でしょっ。

自分にカツを入れ彼に向き直る。

「……新井くんっっ!」

私が勢いよく顔をあげると

新井くんは、コップを私の方に

差し出していた。

「……え?」

それが一体何なのかわからずに

新井くんを見ていると

新井くんは少し掠れた低い声で

「……お茶、飲んだ方がいいよ。」

へっ?

「ずっとむせてるから…。」

そう言って私を見ていた。

「……あ、ありがとう。」

私は、そのお茶を一気に飲み干した。

はぁ、美味しいぃ…っ。

新井くんは、そんな私に関係なく

おもむろに手に持っていた包みを

広げ出した。

「腹減ったから弁当…食べていい?」

「……あ、うん、どうぞ。」

新井くんは、お弁当を広げると

それを無言で食べ出した。

そのお弁当は、色鮮やかで

とてもおいしそうだった。

グゥーキュルルルルーッ。

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