トシノサ恋 ~永久に…君に~
「…………………。」

パッッ!

私が勢いよく後ろを振り返ると…

遠くで新井くんが立ち止まったまま

私の方を見ている姿が見えた。

「………新井くん?」

え…ずっと見てた…?

新井くんは、私が振り返った事に

気づいたのか、猛ダッシュして

走って近づいてくる。

「……は、速い…っっ。」

こんな速さでダッシュできるなんて

やっぱ…若いって…スゴいなぁ…

いや…彼が特別、速いんだよね…

こんなに速く走れたらモテるだろうに…

私は、何だか頓珍漢な事で感心していた。

新井くんは、私の目の前までくると

息が一切乱れる事なく…

勢いよく言い放った。

「…じゃあ俺、待ちます!!

卒業するまで待ちます…!

そしたら俺と、結婚してください。」

新井くんは真剣な表情で

私の目をじっと見つめながら

私にプロポーズした。

今、何て…?結婚?

「……え??け、結婚っっ!?」

「はい…俺と結婚してください。

すぐに結婚とかダメなら

結婚前提に付き合って下さい。」

クラッ…軽く目眩がしてくる。

何か……話が…見えないっっ。

さっき…私…ダメって言わなかったかな?

どうして、そうなるの?!

「…あの、新井くん……

とりあえず落ち着こう?」

「…俺、落ち着いてるし…。」

うん、うん、違うのっ!!

全然……落ち着いてないと思うよ?

どうしたものか……っ。

そうだ…!とりあえず…

「…新井くん、猫…

そうだよ…猫…見てく?

見にきたんだもんねっ!」
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