トシノサ恋 ~永久に…君に~
ガシャン…

「いってらっしゃーいっ!」

はぁはぁはぁ…

私…一人で妄想して

すごく息切れしてバカみたい…。

「…や、やっと乗れたねっ。」

私が新井くんの方を笑って見ると

新井くんは、私の事を黙って見つめていた。

「…あ、新井くん?」

「…俺…紗和が好き。」

「…えっ!何…急に…今度はどうしたの?」

緊張しすぎて、声が上ずってしまう。

「…さっき、並んでる時…

あんまり話をしなかったのは…

ただ…胸が一杯で

この時間がずっと続いてほしくて…

ずっと紗和の事考えてた…。

この仕草がカワイイとか…

色が白いなぁ…とか

華奢だなぁ…とか

俺よりずっと大人なはずなのに…

すぐはしゃいだり…

美味しい物を食べるとすっごく

幸せそうにして笑って…。

一緒にいるとすっげぇ楽しくて…。

ずっと、見ていたい……。」

「…新井くん……」

クシュッ…クシュッ……

寒っ……

雨に濡れたせいだ……っ。

こんな時に…。

「ごめん…

クシャミが止まらなくて…。」

ガタッ…

「…え、新井くん?」

新井くんが急に立ち上がって私の方に

近づいてきた。

「…観覧車が傾く…よっ?!」

私は新井くんの行動に焦って

訳のわからない事を口走る。

「プッ…なにそれ…っ。」
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