トシノサ恋 ~永久に…君に~
放課後…

新井くんのアパートを訪ねようと

歩いていた。

彼のアパートの近くに

差し掛かった時…

新井くんがアパートから

出て来たのが見えた。

新井くんは、グレーのスエットの上下を

着て、サンダルを履いていた。

あれ…買い物かな…。

「あ……」

"新井くん"と呼ぼうとした時…

奥から誰かが出てくるのが見えた。

「…え、あれって…ウチの学校の制服…」

よく見るとそれは…

私のクラスの生徒の川津咲希だった。

「…川津さん?」

川津さんは、アパートの前で新井くんに

笑顔で手を振るとそのまま

彼に背を向けて歩き出した。

新井くんも、川津さんに手を振り

彼女が行くのを見送るとゆっくり

アパートの中に入っていく。

ドキン…ドキン…

何…

何で…

何で胸が…こんなに騒ぐの…。

ドキン…ドキン…

私は、気がつくと走りだし…

川津さんの名前を呼んでいた。
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