ホテル御曹司が甘くてイジワルです


そのとき、ふわっと頭にプラネタリウムが浮かんだ。
まるで宇宙を泳いでいるような特別なプラネタリウム。


「清瀬さん……っ!」

興奮しながら声をあげると、清瀬さんは瞬きをしてこちらを見た。

「こんなふうに、宇宙遊泳を味わえるようなプラネタリウムはどうでしょう!」
「宇宙遊泳?」

首をかしげた彼に、思いついたアイデアを勢いよく説明する。

「座席を全部とってしまって、鏡面加工された床材を敷き詰めるんです。座席は壁にそうようなベンチにすれば、頭上にも足元にも星が広がって、きっと宇宙を泳いでいるような気分になれます……!」

それなら座席を新品に交換するよりもずっと安く済むし、しかもほかにはない特別なプラネタリウムになる。

「なるほど。座席を撤去するなら収容人数は減るが、その分空間が自由に使えるな。たとえばプラネタリウムを投影しながら挙式をしたり……」

清瀬さんの言葉に、思わず目を輝かせた。

「素敵! 最高にロマンティックだと思います!!」

星にかこまれたプラネタリウムドームでの結婚式なんて、ものすごく素敵だ。きっとたくさんの人に喜んでもらえるはずだ。

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