ホテル御曹司が甘くてイジワルです
心配そうな顔をするふたりに、苦笑いしながら体をかがめた。
「つぶれるわけじゃないよ。改装工事をするから、しばらくお休みするだけ」
「本当?」
「うん。夏休みが終わったら三週間くらい休むけど、そのあと今よりもっと素敵なプラネタリウムになるから楽しみにしてて」
私がそう言うと、ふたりはほっと胸をなでおろす。
「よかった。もうお姉さんの星の話が聞けなくなるのかと思った」
「心配してくれてありがとう」
視線の高さを合わせてお礼を言うと、笑顔を返してくれた。
もともとはあまり星に興味がなかったふたりだけど、最近は宇宙のいろんなことを知りたがってくれる。
やっぱりプラネタリウムで星座解説するだけじゃなく、工作教室やいろんなかたちでたくさんの星に触れる機会を作っていきたいな、なんて思ってしまった。