ホテル御曹司が甘くてイジワルです


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翌朝、地元の牧場から届けられる生みたての卵を使ったとろとろのオムレツに、オーブンから出てきたばかりのパリパリのクロワッサン。厚切りのジューシーなベーコンに彩鮮やかなサラダ。温かなポタージュスープ。美味しそうな朝食に「わぁ」と目を輝かせる。

「ここのお料理、本当に美味しいですね」

綺麗な黄色のオムレツを口にふくむと、頬が落ちないように思わず両手で押さえてしまう。
いちいち感激してしまう私の向かいで、清瀬さんはスープを口に運んでいた。

彼の食事をする姿は本当に綺麗で見惚れそうになる。


昨日はあの腕の中に抱きしめられて、数えきれないくらいたくさんのキスをしてもらったんだなぁ……。

なんて無意識にベッドの中での彼の甘い視線を思い出して、ぶわっと頬が熱くなる。



食事中になにを考えてるんだ私は。しかもこんな朝っぱらから!

頬の熱を払うようにぶんぶんと首を横に振っていると、正面にいた清瀬さんが首をかしげた。

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