ホテル御曹司が甘くてイジワルです




清瀬さんの運転する車に乗り、数時間かけてようやく帰ってきた港町。

この距離を、清瀬さんは私のためにかけつけて来てくれたんだと思うと、改めて愛されていることを実感する。

プレアデスホテルの三十二階、清瀬さんが自宅として使っているスイートルームに連れていかれ、有無を言わさず奥のメインベッドルームへと手を引かれ歩いていく。


豪華な部屋に置かれた広いベッド。
この先のことを想像して思わず怖気づきそうになった私を閉じ込めるように扉が閉められた。

「真央」

名前を呼ばれ振り返ると、清瀬さんが胸元のネクタイに長い指をかけていた。
乱暴に結び目を緩めるとそのまま音をたてて抜き取る。その仕草が色っぽくて思わず息をのむ。

「あ、あの、清瀬さん……。シャワー、とか……」

動転しながら視線をそらすと、彼が広い歩幅で距離をつめた。
そして軽々と私の体を抱き上げる。

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