ホテル御曹司が甘くてイジワルです
「真央、もう待てない」
真剣なまなざしに、どれだけ彼が私を求めているのかが伝わってきて胸が打たれた。
横抱きにした私の体をそっとベッドの上に下ろすと、清瀬さんがこちらを見下ろす。
ゆっくりと顔が近づいてきて、キスをされる、と目をつぶって少し身構えると、口ではなく額に柔らかい感触。
おずおずと目を開けると、清瀬さんが私の瞳の奥を探るようにじっとこちらを見つめていた。
「清瀬さん……」
「怖いか?」
そう問われ、首を横に振る。
「こ、怖くはないです、けど」
「けど?」
なんとか誤魔化そうとおもったけれど、こうやって清瀬さんに見つめられるとうまい言い訳が思いつかず、本心が零れ落ちてしまう。
「あの、私、こういうことははじめてなので、どういしたらいいのか分からなくて。無知すぎて清瀬さんをがっかりさせたらどうしよう、とか……」
戸惑いながらつぶやいた言葉に、清瀬さんがたまらないというようにため息をつく。
もしかして呆れられてしまった……?
不安になって彼の様子をうかがうと、少し顔をしかめてこちらを睨む清瀬さん。