ホテル御曹司が甘くてイジワルです
幼い頃。いやなことがあるといつも、自分の部屋の窓から星空を見上げていた。
腰高の窓のサッシの上に腰を下ろして、ぶらぶらと足を揺らしながら瞬いて光る星を指でなぞると、明るい気持ちに慣れた。
中でも青白く光る星の集団を見上げると、なぜか見守られているような温かな気持ちになった。
プレアデスという美しい名前の、生まれたばかりの若い星の集まり。
幾度も見上げたその感動を思い出す。
涙があふれて手で拭うと、キラキラと光る星のような美しい指輪が目に入る。
清瀬さんがくれた、愛の証だ。
この奇跡のような幸せが、空に輝く星のようにずっとずっと、続きますように。
そう願いながらたくましい肩に手を回し、大好きなその人をぎゅっと強く抱きしめた。
【END】