ホテル御曹司が甘くてイジワルです
「清瀬さんから、プラネタリウムのことで夏目さんとゆっくり話がしたいからと頼まれたんだ」
「清瀬さんはここを買収しようとしている敵ですよ?」
「でも、夏目さんのことを口説きたいから彼女をお借りしたいって真剣にお願いされたら断れないよ」
「口説……っ!」
館長の言葉に驚きのあまりむせてしまった。
ごほごほとせきこみながら顔を真っ赤にして首を振る。
「館長、変な言い方しないでください!」
勘違いするな私。口説くって言っても、プラネタリウムの買収を進めたいって意味だ。
館長を説得するよりも、私を言いくるめた方が簡単だと思われたに違いない。
「僕は人の恋路を邪魔するほど野暮じゃないからね」
「恋路って……」
清瀬さんの言葉を間違った方向へ捉え、得意げに胸を張る館長に脱力してしまう。
清瀬さんが思わせぶりな言葉を口にして私にかまうのは、自分になびかない女を面白がっているだけで、断じて恋路なんかじゃない。