サマータイム ブルー
日曜 AM 7:30 穏やかな朝である。

「昨夜の雨は 何時頃上がったのだろうか?」


『そんな事は、アナタには意味のないコトでしょ……。
今までも……、そしてコレから先も……。』


小さな雨粒を、光らせながら、銀色のスクーターが、彼に語りかけた。


少し錆の浮いたイタリア製のこの50㏄は、結婚生活 7年の末の産物である……。


そして……、離れて行った彼女の忘れ物だ……。

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