サマータイム ブルー
小走りに ミニへ走りよる美沙子を見て 森下にも笑顔が、こぼれた。


森下はオートバイを、ゆっくりと進ませながら、後ろ姿の美沙子を眺めた。

丁寧に履き古されたジーンズは多分、男物の501であろう……大きくねじれた裾が 後ろからでも、よく見てとれる。

肩まで、伸びたストレートの髪にオリーブグリーンのTシャツが 全体のシルエットを引き締めていた。

「へ~っ なる程ねぇ……」

森下は、ミニの後方に バイクを停めると、車全体を見渡した。


ブルーグレイに ペイントされたボディーは 海岸通りならずとも、どんな街にも溶け込みそうだと思った。


「キレイな車だ……」


一方では、森下に見られないよう、身だしなみとして、車内を片付けているのだろうか……?美沙子は、バタバタと走り回っていた……。

それを見て、森下は苦笑した。


「なるほど……ここに停めて置くには少し、もったいないな」



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