サマータイム ブルー
高本が、国道に出たのは 正午を少し回った頃であった。

真夏の太陽は、すでに頭上に差し掛かっている。

片道 3車線を ひたすら西へ進む……森下の家まで、200kmの道のりだ。


883ccの排気量を持つ、高本のスポーツスターは数日前に クラッチをオーバーホールし、 オイルも少し固めの物と入れ替えていたのだ。

その為であろうか、エンジンからのノイズも無く、好調そのものであった。

「いい出来だ……」


高本は 蹴り上げるようにシフトアップすると、微かに両腕を絞り込んだ。


高本にとっての 今回の夏休みは 大きく特別な意味を持っていたのである……。

それは 5年前に別れた彼女……


西澤 みかとの約束だった。


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