情熱的に愛してⅡ
第1章 クールな眼差し
皆は、人に羨ましがられたりした事は、ないだろうか。

覚えもない、妬みに苦しむ事も。

私は、ある。

昔からそうだった。


人より要領は、いい方だった。

両親にも、いわゆる『いい子』だと言われていた。

「千沙子は、本当に手が掛からなくていいわ。それに比べて……」

私には、妹が一人いたが、いつも私と比べられていた。


私から見たら、妹は特にのろまな訳でもなく、成績だって悪くはなかった。

それでも、母からは事あるごとに言われていたらしい。

「少しは、お姉ちゃんを見習いなさい。」と。


そんな妹は、私の事を良くは思っていなかった。

たった二人だけの姉妹なのに、仲はそんなに良くなかった。
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