情熱的に愛してⅡ
私にできるのかしら。

それが、不安の元だった。

胸の奥で、何かがうごめいている。


「そんなに深く考えるなよ。」

「はあ……」

「なあ。そんなに難しい事じゃない。マニュアルがあるから、それを読んで、覚えさせればいいんだ。」

「はい。」

私は、部長の”挑戦”と言う言葉が、気になった。

そうなのだ。

さっきから、胸の奥でうごめいているのは、その”挑戦”と言う言葉だったのだ。

「部長……」

「ん?」

「私、やってみます。」

「そうか!」

部長は、私の手を握ってくれた。

傍から見れば、これもセクハラになるのかしら。


「いやあ、君だったらやってくれると思ってたんだ。」

部長は、とても嬉しそうに、ビールを飲み干していた。
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