情熱的に愛してⅡ
寒い冬を超え、気温は一気に温かくなり、新入社員の入社式が行われた。

1週間の合同研修を終え、企画部には8人の新入社員がきた。

私が研修するのは、この8人。

なるほど。

新入社員は新入社員でも、企画部の新入社員。

部長が、”おまえならできる”と言ったのも、少しだけ納得した。


「なあに。緊張しなくていいんだよ。おまえが緊張すると、新入社員だって緊張するだろ?」

「はい。」

そんな事言われると、余計に緊張してしまう。

知らないうちに、手まで震えてきた。

その時だった。

目の前に、黒い影がスッと現れた。

「えっ……」

「わっ!」

あまりの驚きと、部長の3枚目の顔に、返って声が出なかった。
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