情熱的に愛してⅡ
「なははははっ!驚いた、驚いた。」

代わりに部長が、子供のようにケラケラと笑っていた。

「部長……」

あまりの子供じみた驚かせ方に、私は呆れてしまう。

かと言って、ため息をつく事もできず、私は深く深呼吸を繰り返すだけだった。


「どうだ?緊張は解けたか?」

私は、資料を持つ手を見た。

あの細かい手の震えは、いつの間にか止まっていた。

「リラックス、リラックス。」

部長はまたもや、Vサインを出しながら、私を笑わせようとしていた。

こうなると、私も笑わずにはいられない。

思わず部長の前で、クスクス笑ってしまった。


「うんうん。それでいい。」

「はい。ありがとうございます、部長。」
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