情熱的に愛してⅡ
そして私は時計を見た。

もう少しで、研修が始まる時間だ。


「では部長、行って来ます。」

「ああ、頑張ってこい。」

私は小さく”はい”と返事しながら、部長に頭を下げた。

こんな時まで、緊張を解してもらったり、部長には、本当にお世話になっている。

そして一つの難関が、私の前に立ちはだかる。

研修をするミーティングルームに行くには、企画部の同期の前を通り過ぎなければならないからだ。

違った意味で、緊張する。

意識はしないように、しているのだけど。


「清水さん、新入社員の研修やるんだって。」

「何を教えるんだよ。」

「ほら、部長への取り入り方じゃない?」

私が通る横で、また中原さん達が、ヒソヒソ話をしている。
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