情熱的に愛してⅡ
私が頭を下げると、それを真似して頭を下げる。

可愛らしいものだ。


「では、早速研修を始めます。表紙を一枚捲って下さい。」

私がペラッと、表紙を捲ると、皆が表紙を捲った。

ただ一人、覗いては。

あの、クールな眼差しの男の子、一人だけがまだ、表紙に囚われていた。


「……って、急過ぎるわよね。」

私はテーブルに、資料を置いた。

「研修の前に、一人ずつ自己紹介してもらおうか。みんな今日から企画部で働く、仲間だもんね。」

私はやっと、新入社員の皆の顔を、一人ずつ見る事ができた。

「じゃあ、こちらの端からね。」

私は向かって、左側から手を差し出した。


「はい。」

一番目の新入社員から、立ち上がって名前を言っていく。
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